認定司法書士植村事務所 〒190-0012 東京都立川市曙町3丁目3番12号
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<成年後見・遺言・相続>
成年後見・遺言・相続の各制度の関係は、以下の簡略図のとおりです。

          判断能力低下             死亡
------------------‖-----------------------‖---------------------→
任意後見契約       任意後見開始          相続
遺言             法定後見

■元気なうちに
(1)任意後見契約:将来、判断能力が低下したときの事態に備える
(2)遺言:死亡後のために残す最終の意思表示

■判断能力が低下してきたら
(1)任意後見監督人選任申立:任意後見契約の発効・開始
(2)法定後見:成年後見・保佐・補助

■亡くなったら
相続:相続人が、被相続人(亡くなった人)の権利義務を承継
    遺言執行者が、遺言の内容を実現
任意後見・法定後見:本人の死亡によって終了



■相続
人は必ず死にます。それが、命あるものの定めです。
人が死にますと、そにれまつわる手続が、わんさと生じてきます。死亡届けの提出から始まり、埋葬許可申請、年金や国民健康保険等に関する手続、生命保険の手続、郵便局や銀行に関する手続、税金の手続、登記の手続等です。

■相続登記
不動産の所有者が亡くなった場合、その所有権が相続人に相続されます。登記的には、相続によって、登記上の所有者から相続人に所有権が移転されたということになります。そこで、相続人が所有権を相続したことを公示するために所有権移転の登記をするのですが、これを相続登記とよんでいます。

不動産を相続した方が、「土地の名義を変更したい」と仰られます。しかし、この「名義を変更したい」という言葉の使い方は、一般的な意味合いと登記上の意味合いとは、違っています。
というのも、登記で「名義を変更する」というのは、引越しや婚姻等で所有者等の住所や氏名等が変わることを意味するからです。 相続で相続人が所有権を相続した場合は、「名義を移す(移転する)」といいます。

名義の変更→→所有権登記名義人表示変更登記(略してメイヘン)
名義を移す→→所有権移転登記

と、全く違うものなのです。

私が当初も当初のころ、「相続で自宅の名義を変更したい」という依頼者からの電話を受けたとき、混乱してしまいました。
「どうして相続でメイヘンなんだ…?」

■相続登記は義務?期限は?
相続登記は義務ではありませんので、しなくてもかまいません。なので、期限もありません。
但し、今後のために、相続人の権利を守るために、しておいたほうがいいでしょう。一方、相続税の申告は期限がありますので、注意して下さい。
細かいことを言えば、除籍謄本や戸籍の除附票等には、保存期間があります。従って、長いこと相続登記をせずに放っておきますと、いざ相続登記をしようとしたときに、登記に必要な書類が取れないということがあります。そうなると、結構やっかいなことにもなりかねませんので、そういう意味では、相続登記は、早めにした方がいいのです。

■相続登記をする前に
相続登記をするときは、「どの不動産を誰が相続するか」が決まっていなければなりません。そのためには、事前に「相続人の特定」と「遺産の分配」をしておく必要があります。

■相続人の特定
亡くなった人(被相続人)の相続人は、次のとおりとなります。なお、配偶者は常に相続人です。

相続人
第一順位
配偶者&子供(直系卑属)
第二順位
配偶者&親(直系尊属)
第三順位
配偶者&兄弟姉妹

被相続人に子供がいた場合は、子供が相続人になります。また。子供が先に亡くなっていた場合、その子供に子供(つまり、被相続人の孫)がいれば、孫が相続人になります。これを、代襲(だいしゅう)相続といいます。孫も先に死んでいた場合で、ひ孫がいれば、ひ孫が相続人となります。

被相続人に子供がいない場合、次に、被相続人の親が相続人となります。親が被相続人より先に死んでいた場合、その親に親(つまり、被相続人の祖父母)がいれば、祖父母が代襲相続人となります。

被相続人に子供も親もいない場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹が先に死んでいた場合、その子供(つまり、被相続人のおい・めい)が代襲相続人になります。おい・めいが被相続人より先に死んでいた場合、おい・めいに子供がいても、その子供は相続人にはなりません(兄弟姉妹の代襲相続は1代限り)。

被相続人の戸籍謄本等を取得していきながら、相続人の調査を行います。この調査は、結構大変です。特に、昔の戸籍等は、とても達筆で書かれているものもあるので、読めないこともしばしば。また、過去に転籍(本籍地を移すこと)を何度も繰り返していたりすると、その都度、その本籍地を管轄する市区町村に戸籍謄本等を請求しなければならないので、時間がかかったりします。

■遺産の分配
相続人が特定したら、相続人の間で、被相続人の遺産を分配します。それにはまず、遺言があるかどうかを確かめ、遺言があればそれに従います。

遺言がなければ、相続人間で遺産分割協議を行います。遺産分割協議が成立しない場合、家庭裁判所で遺産分割調停を行うこともできます。遺言はなく、遺産分割協議もしないのであれば、法定相続分に従って相続することになります。

<法定相続分>

相続人
第一順位
配偶者 1/2
子供 1/2
第二順位
配偶者 2/3
直系尊属 1/3
第三順位
配偶者 3/4
兄弟姉妹 1/4

■相続登記は自分でできるか
司法書士の立場としては、「司法書士に依頼したほうがいい」と言いますが、相続登記はご自分でもできます。相続登記に関する書籍も売っていますし、インターネットで検索すれば情報がいろいろでてきます。また、法務局でも登記相談にも応じています。 従って、それらのツールを利用して、ご自分で相続登記はできます。
一方、ご自分で相続登記をする場合、戸籍の読み取り等が難しかったり、時間がかったりすることと思います。時間に余裕のある方ならば、ご自分でも可能でしょうが、そうでない場合は、難しいものと思います。

従って、ご自分で相続登記をできない場合は、登記の専門家たる司法書士に任せた方がよいでしょう。司法書士は迅速確実に登記を行い、ご依頼にお応え致します。なお、ご自分で相続登記を行うときの費用は、実費だけですみますが、司法書士に依頼した場合は、司法書士の費用もかかります。

■相続登記に必要な書類
相続登記に必要な書類の主なものは、次のとおりです。

遺言 遺産分割協議 法定相続
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等 遺言の場合、死亡記載のある戸籍謄本等でよい
被相続人の(除)住民票または戸籍の(除)附票、改製原附票(*) 登記簿上の住所と最後の住所が違うときは、登記上の住所が出てくるまで住所を追いかける
遺言


遺産分割協議書

実印押印
印鑑証明書


相続人の戸籍謄本等
相続人の住民票または戸籍の附票
評価証明書 登録免許税算出のため

登記済証(権利証)は、相続登記に必要なものではありませんが、たまに必要になるときもあります。また、ケースによって、上記以外の書類が必要になるときもあります(未成年者が相続人の場合で遺産分割協議を行うときに必要な特別代理人選任審判書など)。

■相続登記の費用
相続登記にかかる費用(実費)は、次のとおりとなります。
(1)戸籍謄本等の取得費用(送料含む)
(2)登録免許税
(3)法務局や市区町村役場への交通費

以上が、最低でも相続登記にかかる費用です。司法書士に相続登記を依頼すれば、別途、司法書士への費用もかかります。

■司法書士への費用はどれくらいかかる?
当事務所に依頼された場合の費用は、こちらをご覧下さい。

なお、司法書士報酬も自由化となりましたので、各司法書士によって、費用はバラバラです。

■戸籍謄本等を郵送で取得する
住民票や戸籍謄本等は、郵送で取得することができます。この場合、管轄する市区町村役場宛に、
(1)住所または本籍地
(2)筆頭者の氏名
を書いた申請書(申請書を、ホームページからダウンロードできる市区町村もあります)、定額小為替、返信用封筒を同封して、送付します。定額小為替は、郵便局で購入できます(発行手数料が別途かかります)。

司法書士は、職務上必要であるときは、職権で戸籍謄本と住民票等を取得することが可能です。但し、印鑑証明書は取得できません。

■職務上請求書
司法書士は、その職務上必要なときは、第三者の戸籍謄本や住民票等を職権で取得することができます。この場合、職務上請求書という専用の用紙を用います。
通常、第三者の住民票等は、本人からの委任状がなければ取得できませんが、司法書士等の国家資格者は、特別に、職務上、委任状がなくても取得可能となっています。
当事務所において相続登記の依頼を受けた場合、依頼者の許可があった場合にのみ、職務上請求書を使って住民票等の取得を行うようにしています。

■除籍謄本・改製原戸籍
(1)除籍謄本
被相続人の本籍地で戸籍謄本を取得します。亡くなった場合は、戸籍にバツ印が書かれたり(死亡によって除籍)、「除籍」と記載されます。つまり、亡くなれば、その人は死亡によって「除籍」されます。また、婚姻すれば、婚姻した者は親の戸籍から抜けます。この場合も「除籍」となります。このように、「戸籍に記載されているもの全員が除籍」となったものを除籍謄本といいます。
夫婦の戸籍があり、夫が死に妻が生きている場合は、戸籍謄本となります。つまり、戸籍上、一人でも生きている人がいれば、残りの人が除籍となっていても、それは「戸籍謄本」となります。

(2)改製原戸籍
以前は、B4サイズ縦書きの戸籍でしたが、戸籍法の改正によって戸籍もコンピューター化され、A4サイズ横書きの戸籍が増えてきました。このように、戸籍法等の改正によって新しい戸籍ができた場合、その元となった戸籍は、「改製原戸籍(かいせいげんこせき)」とよばれるようになります。略して、「ハラコセキ」といいます。
なお、戸籍に複数名が記載されている場合、その中の一部の人の戸籍が「戸籍抄本」で、全員の戸籍が「戸籍謄本」となります。

■相続人に未成年者がいる場合の遺産分割協議
(例)父死亡。相続人は、母、子A(15歳)、子B(10歳)とする。父が持つ不動産を母が相続する場合の遺産分割協議

通常、未成年者の子供A・Bの代理人は親となります。しかし、遺産分割協議において、未成年者の子供の代理人にその親は代理人となることができません。

遺産分割協議においては、たとえ親子といえども、その利害が対立する構図となります(感情的に対立するということではありませんよ)。というのも、母が不動産を100%相続するということは、未成年者の子供達が本来もっている法定相続分(A・B各1/4)を奪う結果となるからです。
 
そこで、このように親と未成年者の子供との利益が相反する場合、親は未成年者の子供のために、「特別代理人」の選任を、家庭裁判所でおこなわなければなりません(民法826)。
(親権者が共同相続人である数人の子を代理して遺産分割協議をすることは、親権者の意図やその行為の現実の結果の如何にかかわらず、利益相反行為に当たる(判例))。

そこで、(例)の場合、母は、子A・Bのために、特別代理人の選任を家庭裁判所に請求することとなります(子A・Bそれぞれについて特別代理人を選任の請求をする)。
そして、母と選ばれた特別代理人との間で、遺産分割協議を行うことになります(遺産分割協議書に署名・押印(実印)するのは、母と特別代理人です)。




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